ファーストビュー

ウェブデザインで重要視される「最初に見える範囲」のこと。
トップページやランディングページでは、とくにそれについて指摘される。

スマートフォンと、タブレットと、PCでは見える範囲が大きく異なる。さらにユーザーの使い方によっても違ってくる。
ピクセル数や縦横比がてんでバラバラな、この「見える範囲」をどうやって想定するのかという問題は、ものすごく頭を悩ませる。

紙モノデザインをやっている人は、ユーザーの都合でコロコロ変わる紙のサイズに初めて遭遇し、ひどく混乱する。なんというか妖怪のような概念かもしれない。

「A4は人によってB5とかA3に……….なってたまるか」

と思っているデザイナーには理解不能な事象、それがユーザー環境であり、ファーストビューの設定。

未経験からウェブデザイナーになろうとしている人には、もっとわからないお話だろう、とも思う。

同じような項目として「ウェブサイトの余白」というものがある。

とある質問サイトで「ウェブサイトの横幅設定を、PCは1,200px、スマートフォンは700pxで提案するとき、その余白はどうすればいいのか」という質問を見かけた。

そのような問いに対する「最大公約数のような解」は、一応存在していたりする。同時に「デザインの方向性が決まらないと、余白も決まらない」ということも、頭の片隅に置いておく必要があると思う。

少し前なら「960グリッドシステム」というようなメソッドを考えた人がいて、その仕掛けを世界中の人が参考にする、というような話があった。

個人的にはなんだかいけすかなくて、そうじゃないとダメなのかと問い続けた。そのシステムを取り入れると、どこの企業サイトも同じものになってしまうじゃないか、というつまらなさがあったからだ。

グリッドで区切った中で、さらに余白を大きめに取るか否かを決めればよかったなと気づくには、ずいぶん時間を要したと思う。

つまりコンテンツのテイストによって余白設定は大きく異なるし、決まりがないということが明らかになったわけなのだが、経験を重ねないと掴めないかもしれない。

「こうやっておけばどんなときも問題ない」というお手軽な答えがない。それもデザインの肝なんじゃないかな。

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