印画紙に焼き付けるもの全般を「紙焼き」と読んでいた時代があった。
カラー写真だったり、モノクロ写真だったり、版下用に使う白黒の複写プリントだったり。
前のふたつはいわゆる写真だけれど、最後の複写プリントを特に紙焼きと呼んでいたような気がする。とくにデザイン事務所で紙焼きといえばソレ、くらいの勢いだった。
いずれも印画紙を使うもので、焼き付けという名前の処理を行なっていた。
焼かないのに、焼き付けとはこれいかに。
銀塩写真、フィルムや印画紙を使う人は詳しいと思う。
フォトショップでは「焼き込み」「覆い焼き」という言葉が出てくるけれども、古い写真用語だ。
機械にフィルムをセットして、印画紙は卓において、ランプを点灯させて感光させるのだけれど、そのときに板や紙を使って光の当たる面積や時間を変化させる技法の名前、それが「焼き込み」「覆い焼き」。
広告業界だとプレスリリース用に写真を用意するとき、「紙焼き頼むわ」みたいに言われてたように思う。宣材写真のフィルムをもとに、ダイレクトプリント、またはネガプリントを発注するのだ。
デザイン業界的には写植を複製したりとか。文字詰を調整しなおしたときとか。
モンセンという書体集から文字を選んでロゴやタイトルを組むときとか。
図形や線画を印画紙に焼き付けたりするものを紙焼きと呼んでいた。
古くはトレスコ、新しいものではイズミヤさん(いまは.Too)の自動機を使ってた。
とにかく「印画紙」がキーワードです。